北オセチアに着いて2日目。
1日中撮影でしたが、ウラジカフカスの街からコーカサス山脈に
伸びる道をずーと南下します。
この道はグルジア共和国(英語では”ジョージア”)まで
伸びているホントに峻険な大山脈を切り開いて走ってます。
こういう大自然のなかのガードレールもなにもない道、
しかもあまり整備されていないような国での
ドライブはほんとにワクワクします。
サスペンションのひどく悪いバンに詰め込まれて
ガタンガタンと大きい音を立てながら、ものすごい勢いで
高度をどんどんあげて行きます。
スピードもまったく緩めずすごいカーブを上っていきます。
シートベルトもなにもなし。
そして僕は気付いてみると大峡谷のまっただ中にいたのです。
横は一歩間違えれば大転落、の谷。下は河。
そこには緑はほとんどなく、おそらく夏はかなり温度もあがり
砂漠というか土漠の山バージョンのような感じです。
まわりに人はまったくいない、と思ったんだけど、
スタッフの話によると炭坑の季節労働者が、その厳しい乾いた峡谷の中で
冬の間ずっと泊まり込みで労働しているというのです。
まったく厳しい環境。
北オセチアはホントにロシア連邦の一番南の端にあるので、
山脈を越えるともうそこは違う世界がまっているのです。
グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア、
カスピ海、黒海があって、もう少し南下すると イラク、イラン、
トルコです。
世界地図で見てみると(オセチアはのってないことが多いけど)、
北のモスクワよりもイランやトルコの方が実際近いのですね。
つまり、そこはロシア側から見たバクダットやテヘランなど中近東への
入口となるのです。
将来そんなルートをたどって旅をするのもいいですね。
あまりないルートかもしれない。
その日も結局街に帰ってまたウォッカを少し飲み、ビールを飲んで
疲れを癒すのでした。
ところで、この旅の食生活はなかなか濃いもので、
普段あまり食べないものを結構がっつりと食べてきました。
自分も以外と初体験のものが多くおもしろかったのです。
初日はまず、馬。
馬刺などはありますが、薫製でした。
これはほんとに味がキツくて、
1枚食べてもう箸が(= フォーク)止まります。
味がきついものに限って、量も多かったりしてほとんど食べきれない。
そして次の日は、牛のなま乳。
要はしぼりたての牛乳ですね。
搾ってから手を一切加えず、布で1度バケツにこしたものを
そのままコップですくって飲みます。
ウッこれ飲んで明日は大丈夫? と、
一瞬お腹のことを考えるんだけど、 そこは飲まなきゃね。
かなりあっさりした味。
そして、夜はウサギ。
耳と頭以外、ほぼ丸焼き。
おとなりのウクライナなどではよく食べるそうです。
ちょっとコメントに困る肉。
食感が特徴あり。乾いた食感です。
そして、ロシアでも定番の、ザリガニ。
これはもうゆでるだけ。
レモンかけ、ひたすらバリバリ音をたてて食べます。
盛り方がかなり豪快。
ザリガニ10匹くらいが皿にただ積み上げられる。
ほとんど肉がないんだけど、味は悪くないです。
ロシア人スタッフがえらく満足そうに食べているのが印象的でした。
庶民の味とのこと。
そして最後はとり肉。
とり肉はまったくめずらしくないですが、
ポイントは、”さっき裏庭にいた” 鶏です。
招かれた農家で豪華な昼食を食べ終え、
着いたときになかった血痕を雪上に発見。
完食後 → 発見。 順序が逆になってしまいました。
でもまったく大丈夫。
それは自然のなかで当たり前のこと、と解釈。
おいしかったので感謝感謝、です。
つづく yoshiki